α Eマウントレンズにやってきたヨンニッパ FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」レビュー。「SAL300F28G2」や「SEL100400GM」と撮り比べしてみた。


α Eマウント専用のフルサイズ対応レンズもどんどん拡充しているように見えて、ポッカリ空いていた望遠レンズのラインナップ。

FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS「SEL70300G」FE 100-400mm F4.5–5.6 GM OSS「SEL100400GM」が揃ってきたものの、高速な動態を望遠撮影するには明るい巨大レンズがないと撮れない世界もあって。

そこは未だにAマウントレンズのバリエーションのほうが多いし、Canon/Nikonの足元にも及ばないところでもある。

そこについに乗り込んで来たというか、第一弾の400mmでF2.8、いわゆる”ヨンニッパ”のFE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」が登場。

価格もびっくり車が買えてしまう勢いなのに、受注生産で需要に生産が追いつかなくて、注文しても6ヶ月待ちというありがたいレンズをほんの少しだけ触らせてもらった。

・世界最軽量の機動力を実現した大口径超望遠レンズGマスター(TM)『FE 400mm F2.8 GM OSS』発売 | プレスリリース | ソニー

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●撮影シーンを最大限に活かせる、軽量かつ取り回しのしやすいヨンニッパ(400mm F2.8)。


某日、屋外でFE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」300mm F2.8 G SSM II「SAL300F28G2」FE 100-400mm F4.5–5.6 GM OSS「SEL100400GM」の3本で試し撮り比較。

こうやって並べて見ると、「SEL400F28GM」の巨大さを感じるというかレンズの全長は相当に長い。

何しろ触れる時間がめちゃくちゃ短くてしかも交代交代なので、満足に触れてないけれど、それでもコレはいいわーと思うところがいくつもある。

まず、FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」の立ち位置としては、マウントの400mm開放F値2.8の大口径レンズということで、スポーツ写真・報道の撮影を行うプロフェッショナルに不可欠な超望遠レンズ。


しかも、今やαの代名詞にもなるまでに躍進したEマウントボディの性能を最大限に活かすための高速・高精度AFと、高解像度と美しいぼけを両立するG Masterレンズ

カメラ界隈で”ヨンニッパ”と呼ばれる望遠レンズの中でも、強烈に軽くて軽快な取り回しができるのがウリで、”重さはたったの2,895g”!!

決して軽いという意味ではないけれど、このバカでかい望遠レンズの姿から想像している重量からすると持ったときの意外なまでの軽さは結構焦る。

ちなみに現状レンズを比較してみると。

ソニー FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」 2,895g
キャノン 400mm f/2.8 IS II USM 3,850g (+955g
ニコン  400mm f/2.8 FL ED VR 3,800g(+905g

これにさらにボディ装着時の総重量。

ソニー α9 + FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」  3,568g
    エクステンショングリップ装着時でも 3,923g
キャノン 1DX II + 400mm f/2.8 IS II USM 5,380g (+1,812g
ニコン  D5 + 400mm f/2.8 FL ED VR 5,205g(+1,607g

レンズだけで、キャノン・ニコンとくらべて約1kgという圧倒的軽量さで、ボディの重量を加味すると、その差はさらに広がる。


さらに言うと、例えばサンニッパ(300mm F2.8)の「SAL300F28G2」のレンズ単体の重さは2,340gと、「SEL400F28GM」よりも約500g程度軽い。

そうすると当然こっちのほうが取り回しとしては有利になるはずなんだけれども、内部のレンズ構造として、大玉のレンズが前よりに配置されていて、レンズを振り回したさいにかなりの慣性が働いって制御が結構大変だったりする。

「SAL300F28G2」を使ったあとに「SEL400F28GM」を使ってみたらびっくりするくらいに振り回しやすい。

「SEL400F28GM」の内部構造は17群23枚(フィルター1枚含む)のレンズ群は、ほとんどが中央に集まっていて、被写体をおいかけるときの回転運動に対する抵抗の大きさを表す慣性モーメントが低くなるのはとても有効。

新幹線を追いかけて撮影しているときでも、素早く動かせるしより正確に横方向にパン(旋回)ができるので、成功率も全然違ってくる。


一昔前なんてソニーの(ミラーレス)カメラはオートフォーカス遅いよねと揶揄されることがしばしばあって、まぁそのとおりだったんだけれども、技術のスピードは凄いもので、今やもう激速。

α9なんてもうAE/AF追従しまくりで高速連写できる化物なカメラ、人をダメにするカメラである。

ちょっと前にα99Ⅱが登場したときも、被写体が横移動のときはAFスピードが速いのに、被写体が前後移動するときにレンズの駆動が追いつかなくてのがしてしまうことがあって。

あぁこれってボディの性能にAマウントの機構自体が追いついていないんだなと実感。

そう考えると、最近でてきたG Masterレンズのフォーカス駆動部の速さは、そのα Eマウントボディのスピード性能の先もみすえて作られているって事なんだと改めて実感するのだけど、「SEL400F28GM」はまさにその最先端。


「SEL400F28GM」には、大幅な高推力化を実現した新開発のXD(extreme dynamic)リニアモーターを搭載。

しかもこれを2つ搭載

制御信号に対する応答性を高めて、駆動遅延や微振動を最小限におさえて静粛で低振動なAF駆動も同時に実現する新しい制御アルゴリズムも合わさって、α9に「LA-EA3」+「SAL300F28G2」で使った場合の最大で約5倍の動態追従性

実際に構えてからシャッターを半押ししてみたときの挙動がびっくりするくらい違う。

レンズは資産とはいったい何だったのか…、比べるのが申し訳ないくらいにAFのレスポンスとか合わせる間際の微振動みたいなものが全然違う。

一瞬の迷いがないぶんここぞが決められるというのはやはりデカイ。

Aマウントはフォーカス移動のときもかなり派手にギュギュッという音がするんだけれども、「SEL400F28GM」はススーッススーッって感じでまぁ静かで、ことごとく違いを感じさせられる。

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蛍石レンズをαレンズとして初採用、GMasterの名を冠する高解像度と美しいぼけの両立。


レンズ構成
[1] 蛍石レンズ [2] EDガラス

G Masterレンズといえば、高解像度と美しいぼけ味の両立。

「SEL400F28GM」は、ソニーのαレンズでは初となる蛍石レンズを採用。

光学ガラスに比べて比重が小さく軽量で、特殊な異常部分分散性をもった結晶素材で高い透過率をもつかわりにめちゃくちゃ高価な蛍石レンズ3枚も使用。

他エレメントとの組み合わせで効果的に配置することで、大口径望遠レンズで発生しがちな軸上色収差や画面周辺の解像低下につながる倍率色収差を補正して極めて高い解像性能を発揮してくれるというのがこのレンズが非常に高価な所以。

DSC06066

Lens name FE 400mm F2.8 GM OSS
Lens focal Length 400mm
35mm equivalent focal length 400mm
Shutter speed 1/3200 sec.
F number F2.8
Exposure correction value ±0.0 EV
Metering mode Center-weighted 
ISO 100
White balance settings Auto
Super SteadyShot On

DSC06211

Lens name FE 400mm F2.8 GM OSS
Lens focal Length 400mm
35mm equivalent focal length 400mm
Shutter speed 1/6400 sec.
F number F2.8
Exposure correction value ±0.0 EV
Metering mode Center-weighted 
ISO 100
White balance settings Auto
Super SteadyShot On

・SEL400F28GM撮影比較テスト #flickr(他写真参考)

焦点距離が長いと影響が大きくなる色収差も抑えられていて、中央部分から周辺に至るまでに極めて高いコントラスト性が出せるのも特徴。

新設計の11枚羽根円形絞りを採用して、美しい円形ボケを出せることと、球面収差を良好に補正する新規光学設計や、製造工程でも1本1本の球面収差調整を行っているうことで、カリカリの解像感と反するなぼけ味も出せる。


ソニー独自のナノARコーディングを採用していたり、鏡筒内面に植毛をほどこすなどして内面の反射率を極力抑える仕様。

抜けの良いクリアな描写や高い対逆光性能をそなえる。

ちなみに、レンズ最前面にはフッ素コーティングを施してあるので、汚れが付着するのを防止するとともに、万が一汚れてしまっても拭き取りやすい。

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●テレコンを装着してさらなる超望遠でも明るさをキープ。


テレコンにも対応していて、さらなる超望遠レンズとして使えるのもとっても良い。

「SEL400F28GM」1.4x テレコンバーター「SEL14TC」を装着した場合は、1.4倍の焦点距離 560mm / 840mm(APS-Cサイズ時) F4.0。

2.0x テレコンバーター「SEL20TC」を装着すると2倍の800mm / 1200mm(APS-Cサイズ時) F5.6 の望遠域で撮影ができる。

DSC06130

Lens name FE 400mm F2.8 GM OSSSEL20TC
Lens focal Length 800mm
35mm equivalent focal length 800mm
Shutter speed 1/500 sec.
F number F5.6
Exposure correction value ±0.0 EV
Metering mode Center-weighted 
ISO 125
White balance settings Auto
Super SteadyShot On

DSC06144

Lens name FE 400mm F2.8 GM OSSSEL20TC
Lens focal Length 800mm
35mm equivalent focal length 800mm
Shutter speed 1/640 sec.
F number F5.6
Exposure correction value ±0.0 EV
Metering mode Center-weighted 
ISO 100
White balance settings Auto
Super SteadyShot On

すでに「SEL100400GM」でもテレコンは使えるし、望遠560mmや800mmは体現できるのだけど、それこそレンズの明るさが大きく影響してくるところ。

「SEL100400GM」1.4x テレコンバーター「SEL14TC」では、開放F値 F6.3-F8.0。

「SEL100400GM」2.0x テレコンバーター「SEL20TC」では、開放F値 F9.0-F11.0。

ハッキリ言えば暗いのである。

日中の光源であればまだいけるとはいえ、対象となる被写体の動きが極端に速いとなると、確実に捉ええながら僅かなブレも影響してしまうのでシャッタースピードが命。

ましてや夕方以降の撮影やナイトスポーツになると、光源が足りなくてISO感度を盛大に上げない限りは正直どうしようにもなくなる。

高速な動態に対しては、明るさのアドバンテージは強烈。

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●他、レンズの細かい設定部分をおさらい。


「SEL400F28GM」は、防塵・防滴に配慮した設計。あくまでも配慮なのでむちゃすると怖いので注意案件。

レンズの価格からしてもワイド保証は高くても入っておいたほうが良い。絶対。

レンズの鏡筒はまるまるマグネシウム合金製を採用しているので、屋外での過酷な撮影環境でも使用にも耐える軽量性と堅牢性。

マウント固定用のねじ本数は7本に増えていてマウント部の剛性と耐久性を高めている。


フルタイムDMFスイッチを搭載して、AF-Cモード時でもフォーカスリングを回転させるだけでマニュアルフォーカス操作といった使い方ができる。

フォーカスレンジリミッターは、FULL、7m-2.7m、∞-7mの3段階で範囲を選べる。

MODEボタンには、流し撮りに対応したMODE2に加えて、スポーツなど動きが不規則で激しい動体撮影時に安定したフレーミングを可能にする手ブレ補正のアルゴリズムを最適化したMODE3が新しくついている。

他にも、あらかじめSETボタンでピント位置を記憶させておいて、モード切替スイッチをPRESETに設定すると、ファンクションリングを回して記憶させたピント位置に瞬時に移動できるプリセットフォーカスといった使い方もできる。

モード切替スイッチFUNCTIONにあわせると、カメラ側の設定から「パワーフォーカス」や「APS-C/フルサイズ切替」の機能を割り当てることもできる。

BEEPスイッチは、プリセットフォーカスのプリセット位置を記憶したときに音のオンオフ。


フォーカスホールドボタンは、レンズ鏡胴部に4箇所、90度ごとに配置してあるので、大きいレンズでもどの方向にかまえていても押しやすいボタンを押せる。

このボタンはもう必須というべきで、カメラからカスタマイズして、瞳AFのような機能を割り当てるとめちゃくちゃ便利。

マニュアルフォーカス時のリング操作には、回転角度に対してリニアなフォーカス移動ができて、応答性の高いリニア・レスポンスMFを採用しているおかげで、撮りたい意図を反映させる&精密なピントあわせができる。


それから、SAL500F40Gに備わっている差し込みタイプのフィルターを装着できるのもミソ。

市販のφ40.5mmフィルターや、別売の差し込みタイプの円偏光フィルター(VF-DCPL1)を装着できる。

円偏光フィルター(VF-DCPL1)は、レンズに装着したままでも、ダイヤルをくるくるまわしてフィルターの回転もできるという細かい配慮もある。

三脚座は3/8インチねじ穴と1/4インチねじ穴が2つ。

ベアリングが入っていて耐久性を持ちつつスムーズに回転。三脚座リングを90度ごとのクリックストップをON/OFFできる三脚座リングクリック切り替えスイッチもある。

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こりゃ使ってみたら物凄い吸引力。

もう見た目の大きさと存在感からは想像がつかないくらいに軽く思えるし、しかも撮っていての振り回しがここまで楽なのかと驚き。

今まで試しに巨大望遠レンズを使ったことがあったけど、パンすると体がもっていかれるというか腕とお腹にぐっと力を入れないといけなくて、まぁこれが体力を消耗してしまって撮影後半ではヘトヘトなんてことはしょっちゅう。

例えば航空撮影とか空を見上げたままで固定したり、超早い動きにあわせてレンズを振ったりと盛大に自分との体力との闘いなわけで”軽いと取り回ししやすい”は超望遠レンズの物凄い大切なところと言える。

もうすっかりα9で甘やかされてしまっているとはいえ、超望遠でピンポイントを狙わないといけない中でスパッとAFがあう性能にはこれまた大いに助けられる。

明らかにかつては経験と腕で撮影していたプロカメラマンには申し訳ないくらいに、枠にさえ捉えればカメラとレンズがどうにかしてくれる感が凄い。

技術の進化ってマジですごい。

その前提があって、ヌケが良くて解像感とボケ味を堪能できるなんて最高のレンズじゃないかと思えてしまう。

年に何度かある航空機撮影や、子供の運動会とか、もうめちゃくちゃ使ってみたい、あぁ使ってみたい。

値段という圧倒的に高い壁がそびえるけれど、それを乗り越えられる人はぜひ買おう。半年待ってでも手にする価値はあるはず。

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●FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」


FE 400mm F2.8 GM OSS「SEL400F28GM」

希望小売価格1,600,000円+税
ソニーストア販売価格:1,460,000円+税
●受注生産(納期目安約6ヶ月)

焦点距離イメージ(mm):400 / 600mm(APS-Cサイズ時) 
最短撮影距離:2.7 m
最大撮影倍率:0.16倍 
フィルター径 :40.5 mm スロットイン式
サイズ   : 158.1 x 359 mm
重量    : 約2895g

・ソニーショールーム/ソニーストア先行体験・展示一覧

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