安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(パフォーマンス編)

 

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・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(開梱編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(外観編)
の続き。

MONSTER PC 「VAIO Z」は、「VAIO Pro 13」と同サイズのままで、何が凄いかという最大のポイントは、強烈なパフォーマンス。

近年、VAIOノートに限らず、モバイルのWindowsノート全般のトレンドとして、IntelのCPUでも超低電圧版(TDP 15W)を搭載するモデルが圧倒的に多くて、これはこれで、よりロングバッテリーだとか薄く軽いという方向に持って行きやすいのはわかるけれど、なんとなく心に潜む物足りなさ。

もう少し前までは、ハイエンド系のVAIOノートを筆頭に、モバイルできてもハイパフォーマンスを突き詰めていた元来続いていたVAIO Zシリーズの登場にワクワクドキドキしていたのに、そういった感覚から遠ざかっていただけに、今回の新しいMONSTER PC 「VAIO Z」「VAIO Z canvas」はガッチリとツボをついている。

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●極める圧倒的なレスポンスを生み出す心臓部のパーツの集積、その名も「Z ENGINE」。

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Windows PCの心臓部ともいえるメインボード(基板)、これが安曇野VAIOの真髄。これを「Z ENGINE」と呼ぶ。

まず、そこに埋め込まれた頭脳というべきプロセッサー。「VAIO Z」には、最新の第5世代Coreプロセッサー(Broadwell-U)の中で、TDP(熱設計電力) 28WのCPUを採用。

チョイス出来るのは、「Intel Core i7-5557U(3.1GHz)」「Intel Core i5-5257U(2.7GHz)」の2つ。

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これまでのモバイル系ノートPCで使われていた主流のTDP 15W Uプロセッサーから、ひとつ上のクラスのTDP 28W Uプロセッサーを搭載した事で、Core i5ですら、Ultrabookに多く採用される15WのCore i7を超えるパフォーマンスがある。

TDP=熱設計電力は、そのままPCの性能に直結して、数値が大きいほど性能が高くなる反面、デメリットとして発熱量が多くなる。なので、モバイル系ノートPCに載せるというほど簡単じゃない。

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さらに、「パフォーマンス優先」時には、cTDP(configurabele TDP)機能が働いて、規定のTDP28Wのプロセッサーから、35Wにまで引き上げて、さらなるハイパフォーマンスで動作できる。

発熱量が上がるため、あくまでもクラムシェル(キーボードモード)時に限られるけれど、デスクトップ並の35W動作が可能になる。

逆に、そこまで頑張らなくていいから出来るだけファンが回らないで静かに使いたいという場合には、「サイレントモード」にすることで、タブレット時では10W(クラムシェル時で15W)にまで制御する事もできる。

第4世代Coreプロセッサー(TDP 15W)を搭載した「VAIO Pro 13」と、第5世代Coreプロセッサー(TDP 28W)を搭載した「VAIO Z」とを並べて、ベンチマークテスト「CINEBENCH R15」のプロセッサーの性能を知る(CPU)を走らせて比較。

単純に、「VAIO Pro 13」に搭載する「Intel Core i7-4510U(2.6GHz)」スコアが205cb「VAIO Z」の「Intel Core i7-5557U(3.1GHz)」のスコアが333cbと、1.5倍だったという数値上の比較だけではない。

実際に3Dのレンダリング作業にかかる所要時間が、前者が約3分17秒もかかったのに対して、後者が約2分3秒と、約60%短縮されているというのはとてもわかり易い。

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そしてもう一つ重要なポイントは、第5世代Coreプロセッサー(TDP 28W)には、CPU内蔵グラフィックスも優秀な「Iris Graphics」を載せていて、従来のCPU内蔵GPU「HD Graphics」よりも2倍の演算ユニットを持っているという事。

歴代のVAIO Zシリーズという名を冠するモデルが外部GPUを載せて来ていた神話が出来上がっているだけに、CPU内蔵GPUはしょっぱいイメージがまだつきまとっているけれど、技術進化もあって「Iris Graphics」は、外付けのグラフィックスボードにより近い性能を出せるようになって来ている。

 これも同じく、ベンチマークテスト「CINEBENCH R15」のグラフィックの性能を知る(OpenGL)を走らせて、「Intel Core i7-4510U(2.6GHz)」の「VAIO Pro 13」と、「Intel Core i7-5557U(3.1GHz)」の「VAIO Z」を比較。

3Dのシーンを再生してその性能として1秒のフレーム(fps)を測定したもので、そのOpenGLのスコアは、「VAIO Pro 13」「HD Graphics 4400」では19.10fpsとかなり厳しいものから、「VAIO Z」「Iris Graphics 6100」37.17fpsと、約1.8倍も上昇している。(各種ベンチマークテストは続編の記事で。)

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●ハイパフォーマンスの裏に隠された”高密度実装技術”と”熱冷却設計技術”

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「VAIO Pro 13」と同体積のままでパフォーマンスを上げられたのは、VAIOが昔からやってきた”高密度実装技術””熱冷却設計技術”が可能にしたもの。

小さくするというと簡単そうに思えるけれど、これがどれだけ大変なことかというと、基板にある部品と部品との間のギャップから配線の間の長さを限界まで狭めるというあくまでも地道な作業をこなすことで、小ささを極めた”高密度実装基板”が出来上がる。

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下が、「VAIO Fit 13A」の基板で面積にして15,280ミリ平方メートル、上が「VAIO Z」の基板は面積にして10,034mm平方メートル。同じ13インチモデルなのに、基板のサイズが65%も小さい。

でもこれは決して、「VAIO Fit 13A」の基板が大きいのではなくて、「VAIO Z」の基板が異常なまでに小さいだけ。もともとODMで作られた「VAIO Fit 13A」の限界が、安曇野で作られる「VAIO Z」だと、ここまで突き詰められるということの現れみたいなもの。いやしかし、大きさが違いすぎる。

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これは、「VAIO Z」の基板をマクロ撮影して近づいて撮影した画像で、これを見た時のほうが驚きで、なんと整然と並んだICやチップ!

基板には必ずといっていいほどあるシルクも削除してそれに代わるシステムを作っていたり、プロセッサーの横あたりには、0.3mmのチップがコンマ2mmの隙間で並んでいたりと、こういったもはやありえないような技術で基板が出来上がっていて、なんといっても美しい!

この基板、万が一修理になった場合でも、直せる人物は技術者の集団のVAIO㈱の中でも1~2人しかいないと言われるほどで、それだけ限界に挑んでいるという事。

ここまで小さく出来上がった基板の恩恵は、コンパクトなボディの中でもより大きいバッテリー、効率のいい放熱、より高速なマシンを作るという事にダイレクトに貢献してくる。

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  「VAIO Z」は、TDP(熱設計電力)の高いプロセッサーになったものの、最大の難関は”熱”。その絶対的な対策として、冷却ファン、熱を伝えるヒートパイプも、新しく一から作りだして、冷却する”熱冷却設計技術”を投入。

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冷却ファンは、日本電産㈱との共同開発で、HDDに使われている流体動圧軸受け技術を使い、非常に薄く、そして最大限の効率、そして今や唯一の回転物だけに高信頼性のある流体動圧軸受ファンを作り上げている。

それに、2基備える冷却ファンは、同じものを使用するほうがはるかに低コストですむにもかかわらず、1基づつ左右の羽の枚数を変えてそれぞれ違うものを製作。このファンの羽根の枚数が違う事で、共振を防いでその動作ノイズを抑える事ができる。

これだけの薄いファンでありながら、ノイズ対策も考慮して、その上で放熱効率は「VAIO Fit 13A」の233%も良くなっているというからこれまた凄いことだと。

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ヒートパイプは、㈱フジクラとの共同開発で、独自の内部構造の薄く、高い熱運搬能力をもつ極薄型高校率ヒートパイプを載せている。

しっかり冷却してくれないと熱暴走起こしてしまうし、そもそも35W動作なんて出来ないので、いかにこの放熱設計が大切か。

かといって、冷やすためにファンの音がうるさ過ぎたらそれはストレスでしかなくて、ファンが回るノイジーな音ほど耳について気になるものはないから、ここも結構な重要ポイント。

負荷のかかる作業(例えば、ベンチマークや動画のエンコード)をすると、フルパワーで動作するからファン全開になるのでこれはぶっちゃけ音がフンブン言うのは仕方がないところだけど、「サイレントモード(キーボード時15W、タブレット時10W)」でどれくらい静になるか?は、後日個別に実験してみよう。

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●絶対的な体感速度を及ぼす第2世代High speed SSDInstant Goテクノロジー

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SSDもついに、第二世代のHigh speed SSDへ。

SATA SSDよりも圧倒的に速いPCIeインターフェースを採用したHigh speed SSDが入ってた「VAIO Pro 13」も相当に爆速だったけれど、その母体となるHigh speed SSDも第一世代から新たに第二世代に新しくなった事で、さらに約1.5倍もの高速化。

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<VAIO Z(第2世代 ハイスピードSSD)>

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<左:VAIO Pro 11(SSD)    右:VAIO Pro 13(第1世代ハイスピードSSD)>

 この超速レスポンスはいたるところの体感スピードに影響してくるのはもちろんだけれど、「VAIO Duo 13」に採用されていたInstant Goテクノロジーも採用さいたことで、Windowのスタンバイ状態から復帰するのに要する時間は、たったの0.3秒

絶対電源OFFにしたい!とか、Windowsやソフトウェアの更新で再起動というこの煩わしい時間さえも一瞬。再起動している最中のBIOSの待ち時間が長く感じてしまうほどにWindowsの立ち上がりが気持ち悪いほど早い。

あと、早いスタンバイも電源をつないでないとバッテリーが減っていく不安もあって使うのを躊躇してしまうけれど、 「VAIO Z」はスタンバイにしていても約17.9日(VAIO Pro13でも8.4日)もバッテリーが持ち続けるという賢さ。

これも、実験を繰り返して、数百あるデバイスのうちどれが電力を使用しているのかをつきつめて、その一つ一つを解消していくという基の遠くなるような地道な作業からこのバッテリーライフを可能にしているのがだから、そりゃそう簡単に他社が真似できるものでもない。

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何度も言うように、初見は「VAIO Fit 13A」に見えても中身はまるでベツモノという事がこれでわかる。まさに羊の皮を被った狼、いや、ジムの皮をかぶったガンダムともいうべきか、本当に中身を知らないと見えて来ない。

続いて、パフォーマンスについて他VAIOと比較してみよう。基本ベンチマークテスト編に続く。

 ・見た目にダマされちゃいけない、MONSTER PCの名を持つ安曇野産「VAIO Z」の真実。
・ワタシ…、名前変わります…。「VAIO Prototype Tablet PC」から「VAIO Z canvas」へ。
・ものすっごい楽しかった「VAIO meeting 2015」のレポート。(新幹線の中で執筆中。)
・「VAIO meeting 2015」の帰りに、ソニーストア大阪に寄り道して、MONSTER PC 「VAIO Z」を触って来たよ(*´Д`)
・MONSTER PC 「VAIO Z」の展示実機、ブラックとシルバーが入荷!
・「My Sony Club」と「週アス(3/3号)」に、新VAIO Zの開発秘話たっぷり。

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MONSTER PC “VAIO Z” (13.3型ワイド)
ソニーストア販売価格:189,800円(税別)~

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