モバイルするために強靭性を保ちながら道具として洗練させた「VAIO S11」(前編)

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VAIO㈱になって最初に発売されたモバイルノートは、2013年6月に発売されたクラムシェル型のモバイルPCの「VAIO Pro 11/13」で、11.6インチの「VAIO Pro 11」については、この秋(2015年10月)に販売を終了するまで約2年強続いてきたけれども。

すっかりメインストリームに、「VAIO Z Canvas」「VAIO Z」「VAIO Pro 13 | mk2」が並んでいて、もしかしたら11インチクラスのVAIOって出てこないのかと思っていたら、突如現れた「VAIO S11」

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このいわゆるサブノートというジャンルでB5系サイズのVAIOというと、SONY時代に遡ると初代505から、VAIO SR、505 EXTREME、VAIO type T、VAIO Xシリーズ、VAIO Tシリーズ、VAIO Pro 11とそれぞれの時代にして、どのモデルでもそうだけど、小さいサイズでどうにかしなきゃいけなくて、どこかを犠牲にしてどこかを突出させるというせめぎ合いから生まれてくるモバイルVAIOはそれはそれは心熱くさせられて、そして良く買ったなーとシミジミ

そもそも、「VAIO Pro 11/13」が出てきた時も、OSがWindows 8になって、世の中ではすっかりタッチパネルを搭載した2 in 1タイプがトレンドになっていたにもかかわらず、クラムシェル型のVAIO Pro 11は物凄く人気モデルになって、それも結局は基本に忠実なオーソドックスなスタイルだったからかも?

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という前置きはおいといて、個人的には、もしかしたら「VAIO Pro 11 | mk2」となって復活するんじゃないかなー?と淡い期待をしてたのだけど、まさかまさかの新筐体で出てくるとは驚き!!

しかも、SIMフリーLTEが載せられて、USB type-Cも有線LANポートもあって、さらに11.6インチというサイズに、第6世代Intel Core プロセッサーとか超激速のPCI Express接続のSSDを載せたり、大容量バッテリーで最大15時間駆動とか、ずっと待ち続けていたモバイルVAIOノートの後継モデルじゃないか!

ということでいてもたってもいられず、先行展示されているソニーストア大阪まで現物をサワサワしてきた。

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●モバイルするために強靭性を保ちながら道具として洗練させたVAIO S11。

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いきなりだけど、「VAIO S11」「VAIO Pro 11」のサイズを比較。

【VAIO S11】
外形寸法 : 約 幅284.0 mm × 奥行190.4 mm x 高さ16.4mm(最厚部19.1 mm)
本体重量 : 920g~940g

【VAIO Pro 11】
外形寸法 : 約 幅285 mm × 奥行197 mm
タッチパネル搭載モデル  ・・・ 高さ13.2mm(最厚部17.2 mm) 本体重量 : 870g
タッチパネル非搭載モデル ・・・ 高さ11.8mm(最厚部15.8 mm) 本体重量 : 770g

「VAIO S11」「VAIO Pro 11」を比べてみると、「VAIO S11」は、厚みがある程度増したもののフットプリント(タテヨコの面積)が284.0mmx190.4mmと同じディスプレイサイズながらも周囲のベゼル含めたトータルサイズが小さくなっている。

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今回、ソニーストア大阪に新幹線に乗って向かいながら「VAIO Pro 11」を使っていたけれど、やっぱりこの11.6インチPCのイイトコは、新幹線の机に載せても左右が収まる余裕がイイ。

行き(上記画像)は、たまたま新幹線の最前列だったから机がしっかりしたけれど、2番目の席より後ろだと、机の小さくて不安定なことといったらありゃしない。重いノートPCだと自重で机が下がるくらいには不安定だったり、タイピングのときに隣の人に肘が当たりそうになったりして、そういう時こそ小さいPCのほうが気を使わなくてすむ。

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閉じて持ち運ぶ時も、最近カメラバッグに付いてるタブレット用ポケットにも11.6インチサイズなら入るけれど13インチ以上になると入らない、なんて事もよくある。

本体の厚みにしても確かに薄いほうがいいのだけど、机に置くとか、カバンに収める時に、タテヨコサイズで決まってしまう事も多い。

重量は、「VAIO Pro 11」からすると少し増えちゃったなーと気にはなってみたものの、実際に「VAIO S11」を持ってみたら充分許容範囲というか、「VAIO Z Canvas」「VAIO Z」「VAIO Pro 13 | mk2」と比べれば充分軽く思える。

ふだん持ち歩いたり、出張に持って行こうと思ったら、いかにカバンやバッグの場所をとらない、荷物としてかさばらない、軽いといったことが重要だから11.6インチクラスの重要性は結構あったりする。

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●小さいボディでも欲しいものがある接続端子の豊富さ。

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そして、使い出すとなくては困るのが端子類。

SDカードスロットにヘッドホン端子、USB3.0のポートが2コ有線LANポートD-Sub15ピンを装備、そして、USB TypeC (DP alt mode, Thunderbolt3対応)まで付いてる充実っぷり。

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本体の厚みはLAN端子よりも薄くなっているから、下方向にパコっと口をあけて差し込むスタイル。

PCとして使う時には、ヒンジで本体の後ろ側が傾くようになっていたり、VGAケーブルも差し込んだら左右の端子がつかえない…なんてオチはなく左右のスペースもちゃんと確保されている。

「VAIO Pro 11」の不満の一つでもあった有線LAN端子が搭載された。ネットワークに入るにしてもWi-Fi環境があるとは限らなくて、あるいは安定的なスピードを確保する意味でも有線LANは必須。

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そういえば、レガシーなD-Sub15ピンがあえて残っているものの、HDMI端子がない。

おそらく、USB Type-Cを搭載したので、別売のUSB Type-C用のドッキングステーションなんかを用意すれば、ディズプレイだけじゃなくて、キーボードやマウス、外付HDDもくっつけられる。

例えば、自宅に置いて一本の端子から周辺機器をつないでおいたとして、外出しようと思った時にも簡単に脱着できるようになるから、これからとっても活用したくなる。

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●Windows PCだからこそのキーボードとタッチパッドの使い心地。

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「VAIO S11」のキーピッチ(キートップの真ん中とその隣のキートップの真ん中までの距離)は、17mm

13インチクラスの「VAIO Z」「VAIO Pro 13 | mk2」19mmのキーピッチからすると多少狭いものの、他社の小さいノートPCのキーピッチは一般に15mmと比べると余裕のある広さとタイプしたときの沈み込み、いわゆるキーストロークもしっかりありながら、本体の剛性が相当高いのかグニョグニョしない。

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筐体の材質はパームレストも底面も”強化プラスチック”で、今までのアルミでもカーボンでもないしと思うと大丈夫かな?という不安はあったけれど、どうやら中ではガッチリとビスで強度を計算したうえで固定されていたり、中空状態になりがちで強度の足りないところには、サポートパーツを追加して追加補強を入れたりと、歪まないガッチリ剛性感のあるボディとキータイプのベースがしっかりできている。

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そしてキーボードは「VAIO Z」譲りというか、静音設計を目指して作ったキートップのグラつきのなさと、タイピングしている時のキートップがブレずに上下する高精度な挙動が相当に気持ちいい。

「VAIO Pro 11」は、高速にタイプしようとすると、かなり高い音でパシャパシャ音をたてて、新幹線の中とかカフェでも周囲が静かだとかなり気になっていたけれど、「VAIO S11」は随分静かになっていて、これなら遠慮なくバンバン入力できる。

もちろん、この小ささでもバックライトキーボードを搭載して、周りを暗くしたプレゼンをする時や、飛行機やホテルといった光量がたりない場所でも照度センサーが自動的に感知して点灯して、キートップを確認してタイプできる。

キートップが皮脂でテカりにくい新塗料に変わってるのも地味にイイ。

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「VAIO S11」にはタッチパネルを搭載しないぶん、タッチパッドでの操作がかなり重要。

誤操作を防ぐ機能も相当進化しているようで、指の追従性も感度もよくて相当に心地よくコントロールできるし、左右のクリックボタンはないけれど誤認識もなく反応してくれるし、ドラッグ・アンド・ドロップしたり、右クリックも思い通りに操作できる。

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ダメなタッチパッドは本当にストレスの塊で使う気すら失せてしまうので、タッチパッドで思い通りに動かせるというのは本当に大切。

Windows 10のジェスチャーも覚えておけば、かなりサクサクと作業できそう。(あらかじめ覚えておく事が前提だけど。)

ウィンドウを動かしたり、ファイルを移動したり、頭に思い浮かんだ文章をスラスラとテキスト化するというずっと前から当たり前にやってきた作業がストレスなくできると、それはそれはスマートフォンやタッチパッドにはない快適さがクラムシェルPCにはあるよねーと再認識させられる。

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●見やすさを重視してより大きく開くようになったディスプレイ開閉構造。

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ディスプレイは、11.6型ワイド(16:9)のフルHD(1,920 x 1,080)で、今回、ディスプレイの選択肢は、タッチパネルの搭載はなく、クラムシェルPCとして基本のwindowsのタッチパッドでの操作を前提としている割り切りっぷり。

そ の代わりというか、ディスプレイには、映しだした写真などを意図通りに表示できるように、高輝度で高色域(sRGB97%カバー)となっていたり、角度が変わっても見え方 がかわらないIPS液晶を搭載したり、映り込みを抑える低反射コーティングといったビジネスへの配慮をしたディスプレイに。

まぁ確かにタッチパネルを搭載するとパネルが一枚入って厚みが増えたり、ツルピカでいろいろ反射してしまうのはあるから、ビジネススタンダードな使い方を 重視するならこの映り込みの少ないディスプレイはやっぱり見やすいのは確かで、にじみもないから小さい画面でも細かい部分までクッキリ視認できる良さはあ る。

ただ、使うスタイルは人それぞれだから、選択肢としてタッチパネル搭載もあっても良かったんじゃないかなとは思うけど。

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開閉ギミックも一工夫されていて、「VAIO Pro 11」の最大に開いた角度は135°までで、たまに使っている時にもうちょっと画面を開いて欲しいのにということがたまにあって、「VAIO S11」では最大開き角度は145°まで広がっている。

さすがに180°とはいかないまでも、ここまでグワっと開けると、ひざ上に置いて作業するときもベストポジションを決めやすくなった。

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小さい本体に収まるくらいのヒンジユニットを使って、閉じた状態、そして開いて画面をタッチして使う時にはぐらつきを極力抑えて、開け閉めする動作の時には、軽い力でできるように作られている。

逆に最小の開き角度は約20°で、この態勢からもうちょっとディズプレイを押すと、パタンとヒンジトルクが働いて閉まる。

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ディスプレイ開閉構造は、「VAIO Z」「VAIO Pro 11」と同じく、ディスプレイを開くと机と接地して、ディスプレイ面のグラつきを押させる効果があることと、本体が奥側から手前のパームレストにかけてナナメに傾斜していてパームレストはほぼ置いている机と段差がなくなる。

本体が小さいだけに、手の平が机にかかっても、余計な負担もなく構えてタイピングできるだけで打ちやすさが変わってくる。

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あと、本体が小さいし、スピーカーも底面にあるので音に関してはまるで期待してなかったのだけど、音を出してみると意外なほどに大きい音量(70dB)で再生してて驚き!

さすがに音質には贅沢は言えないけれど、プレゼンをする時に、あえてスピーカーをつながなくても本体スピーカーからの音でも充分に対応できるくらいの大きい音量が出せている。

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●VAIO S11の”解”としてのボディと、裏打ちされた過酷な品質実験

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「VAIO S11」は、ブラック、シルバー、ホワイトの3色にはその強化プラスチックに、下地塗装をしたうえで、それぞれのカラーを塗装して、一番最後にUVコーティングをすることで、発色を保ったまま塗装の保護をするという見せ方。

液晶天板とパームレストは、”強化プラスチック”でも、この塗装のおかげでラメの微細なきらびやかさもあって目にする質感は悪くない。

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ベゼル部分の本体を閉じた時にささえるラバーも、分割せずに一体成型にしてたりと、筐体の強度を上げることと、デザイン上の余計な分割線が増えることもなく、スッキリと見せる努力もある。

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ただ、気になったのは、ボトムの素材感で、光の当たり加減からザラザラとした”樹脂感”がかなり強調されて質感としては少しチープに思えてしまって、そこがもったいない。

どうせならしっとりとした黒は黒として沈んだ質感にしてくれると良かったのにと思うのは自分だけだろうか。

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本体の真裏をみると、把握できるネジ穴の位置。ネジ穴が左右対照的に並んでいるのが特徴。

これも計算されてのもので、ネジ止めでの剛性を上げるためで、手前のところもよくよく考えると巨大なバッテリーが横たわっているはずなのに、きっちりと中央部分にもネジで補強されているのがわかる。

どうやら、内部でバッテリーのガワ部分と一緒にネジ締めされているらしく、単純に器として固定されているんじゃなくて、内部のパーツごと一緒に固定することも含めてもう全部で剛性をあげようという作り方になっているという事だった。

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てっきり素人考えで、剛性の全ては素材でまかなえるだろうと思ってしまっていたけど、よくよく思い返せばカーボンとアルミでできている「VAIO Pro 11」にしても、パームレストの端っこを持ってみると予想以上に”たわみ”があって、気分的に落ち着かない事もあった。

それにひきかえ、「VAIO S11」のパームレストの端っこを持ってかなり強めに振り回してみたけれど、フニャフニャ感がまるでなくて、かなりの剛性の高さに驚き。

どうしても見た目金属じゃないと大丈夫か?と思ってしまうけど、このガチさ加減はなかなかのモノ。

 と、思ったら品質試験がYouTubeにアップされているのを見て、ここまで過酷な試験をしてるのかと。

150kgf加圧振動、90cm落下、ペン挟み試験、LCD加圧、本体ひねり試験、角衝撃試験、LCD 開閉試験と、凄いのはわかるけど、もう痛々しくて見てられないくらいなんだけど…。

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最初パッとみると、本体の液晶天板から底面、パームレストと、全て強化プラスチック製で、「VAIO Z」「VAIO Pro 13 | mk2」のような金属的な質感はないので、そこを期待するとアレ?と思うかもしれない。

カーボン天板やアルミのパームレストの質感が好みなら、スパっとわりきって、VAIO OUTLETから、前モデルの「VAIO Pro 11」をチョイスする事も考えられるし、何が何でも「VAIO S11」じゃなきゃいけないというわけでもない。

けれど、「VAIO S11」を触り続けていると、このキーボードとタッチパッドの操作感の心地よさが染みてくるというか、このサイズでここまで効率よく仕事が出来る快適さと、困らない端子類と、それこそ仕事で過酷に使える本気PCとして使うならかなりアリじゃないかと思えてくる。

まだこれで外観的な部分しかみてなくて、中身を知ると「イイジャンコレ!!」具合がさらにヒートアップしてくる。

続く。

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