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完全にデスクトップ専用、自分のためだけのコンパクトオーディオシステム「CAS-1」

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IFA2015でその姿を見てからというもの、ウォークマンよりも気になっていたセパレートスピーカータイプのコンパクトオーディオシステム「CAS-1」

その実機が届いたので早速使って見よう。

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●スピーカー用とヘッドホン専用アンプ基板それぞれを搭載するハイレゾ対応コンパクトオーディオシステム「CAS-1」

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コンパクトオーディオシステムという名前なのに、そこそこのシステムステレオ並の大きさに意外と驚くパッケージ。

「CAS-1」のメインとなるアンプ部とスピーカーはもちろんなんだけれども、付属品がやたらと充実していて、リモコン、ACアダプター、USBケーブル、スピーカーコード、スパイク(大)、スピーカーベース、スタンド、取扱説明書がセットになって入っている。

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●こだわりまくりのスピーカーと、イイ音で聴くための充実の付属パーツ

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何かとアンプ部に注目を浴びがちな「CAS-1」だけど、現物をみるとかなりクオリティの高いスピーカー「SS-HW5」。

キャビネットのバッフルと背板に12mm厚のMDF材、胴面部に9mm厚のバーチ合板を採用したコンパクトながらもしっかり堅牢なエンクロージャー。さすがにしっかりした精度で加工されていて塗装もシットリとして見た目にも美しく、質量感と手触りはもう高級スピーカー。

スピーカー構成は、50kHzの再生に対応した広指向性の14cm径の「ソフトトームトゥイーター」に、安定感のある低音を再生する62mm径の「高剛性カーボンファイバーコーン」。

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付属スピーカーケーブルにもやたらとこだわっているようで、まず長さはデスクトップで想定される長すぎない1.2m。

木目の机、や白や黒のテーブルにおいた時に極力目立たないようにするために透明なコーティングされた線材にして、ハイレゾをならすための音質面で足を引っ張らないためにもAWG# 18線材(18mm)を採用。

梱包される状態でよく見られる2つ折りではなくて丸く円形にゆるくとめる巻き方に加えて、取り付けのしやすさを考慮して先端をハンダでコーティング。

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スピーカー端子は、スクリュータイプで、後々に好みのスピーカーケーブルに変更することももちろんできるし、ちゃんと、アンプ部、スピーカー部ともにバナナプラグの差し込みもできる。

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スピーカーの底面を見ると、前方向に大きくフレア状に開口したダクトがあって、このポートバスレフから、このサイズ感でも広がりのある低減を確保。

そして目に飛び込んでくるのがスピーカースパイク。

スピーカーの底面はというと、何もないか、あってもささやかなゴム足程度で、スピーカースパイクは別売のカスタマイズアイテムなのが一般的。

それが、ちゃんと高級機種で使われる事のおおい真鍮製の切削加工して3層メッキ処理をした本格的なスピーカースパイクを最初から備えている。

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さらに、5mm厚のスチール製スピーカーベースまで付属するコダワリっぷり。

スピーカーと床面との設置は重要で、しっかりとした強度に置く場合ならまだ良いけれど一般家庭での事情は様々。

例えば底で共振してしまったり、音が吸収されてしまうと、本来持つ再現能力がガタ落ちになってしまうので、そのためにわざわざ分厚いスチール製のスピーカーベースを付属して、ガッチリと最良の再生環境を確保しようというもの。

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デ スクトップですぐ目の前に座って聴くという事を想定して、そのまま平行においてしまうと音がちゃんと耳に届かない、もしくは机に反射して音の到達がズレて しまうといった弊害をなくすために、間近でも最良の状態で音を届けるために高さを変更する「スピーカースパイク(大)」なるものも付属。

くるくるとネジを回すようにして取り換えできて、「スピーカースパイク(大)」を装着することで、スピカーの向きが仰角8度上向きになる。

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ハイレゾの主たるトゥイーターからの高域は指向性が高いこともあって、机に近い椅子に座っている場合(スピーカーから75cmという近さ)でも、スピーカーの仰角が8度上に向くことでまっすぐに届きやすくなる。

それと、スピーカーから出た音が机面に反射するタイムラグで、トゥイーターとウーファーの耳に届く時間が微妙にずれてしまう違和感を抑えられる。

そのためだけにわざわざここまでの付属品を用意しているとかコンパクトオーディオシステムで見たことがないなと。

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●デスクトップコンパクトのためのフルデジタルアンプ「S-Master HX」。そして、ヘッドホン用に「PHA-2」相当のアンプを独立して搭載。

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ここでようやくアンプ部「TA-CA1」。

本体を小型化するために、アナログアンプではなくてデジタルアンプ「S-Master HX」を採用。

S-Masterも地味に進化していて、新規開発のICを使用して、ノイズシェーパーやサンプリングレートコンバーターを大きく改良して、より低ノイズ化したり、「ESシリーズ」の高品位なパーツを使うなどして、小さくても徹底した高音質設計。

ハイレゾ音源としてWAV/FLAC/AIFF/ALAC 最大192kHz/24bit、DSD2.8MHz/1bit(リニアPCM変換)に対応して、「DSEE HX」によりMP3のような圧縮音源もアップスケーリングしてハイレゾ相当の高音質で楽しめる。

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前面にUSB-A端子、背面にUSB-B端子の2つだけ。

あとは、Bluetoothでの接続が可能で、従来(SBCコーデック)比で最大約3倍の情報量を伝送できる「LDAC」に対応。

できるなら、光デジタル入力やアナログ入力も欲しいと思ったりするけれど、この設計思想からすると入力系統もアナログ信号のないフルデジタルで作ったからこそのこのコンパクトさというのがあるという事なのだろう。

光入力やアナログ入力を含めたアンプが必要なら、「UDA-1」という選択肢があるし。

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「CAS-1」の魅力は、スピーカーで聴けるのはもちろんのこと、ヘッドホンでも納得の音が楽しめるように、内部で電源とスピーカー用のアンプとは別に、ヘッドホン用のアンプを備えているという事。

そのヘッドホン用のアンプには、「PHA-2」と同じアンプ(TI製TPA6120)と専用DAC(TI製PCM1795)を搭載している。

しかも、スピーカーで聴いている時にはヘッドホンアンプは動作せず、ヘッドホンで聴いている時にはスピーカーアンプが動作しないようにしないようになっているため、お互いの干渉を防ぐようになっている。

さすがにバランス接続には対応しないまでも、ヘッドホンアンプの出力は、250mW×2ch(8Ω)、180mW×2ch(32Ω)、35mW×2ch(300Ω)で、背面のスイッチでゲイン切り替えもできて、ヘッドホンアンプとしての価値だけでもかなり大きい。

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●「CAS-1」と接続して音楽を純粋に楽しみたい。

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前面にあるUSB-A端子は、ふだんはフタで覆われていて、使いたい時にパカっとあけて、ウォークマンやUSBメモリーを接続。

ウォークマンはストレージモードになっていわゆる本体の操作はできなくなる代わりに、「CAS-1」から電源供給されて充電しながら音楽が聴ける。

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音楽を聴くには、付属のリモコンで操作するようになるのだけど、オペレーションがみえなくなるので使い勝手はイマイチ。

スマートフォンに「SongPal」アプリをインストールすれば、ウォークマンやUSBメモリーの中身を確認しながらコントロールもできるけれど、ジャケット画像は表示されないし、なんだかまどろっこしいだけ。

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音質もハイレゾ音源には対応していないので、もう”ウォークマンに充電しながら聴ける”というのみが利点のような気が…。

もしくは、小さいUSBメモリーを挿しっぱなしにしてコンパクトオーディシステム化して使うという手もない事もない。

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それならもういっその事、Bluetooth接続してワイヤレスリスニングしたほうがひとまとめでスッキリカンタン。

NFCにも対応してるので、「CAS-1」のアンプ部の上部にウォークマンやXperiaなどNFCを搭載した機器をかざしてピコリンと簡単にペアリング。

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Bluetooth接続は、従来(SBCコーデック)比で最大約3倍の情報量を伝送できる「LDAC」に対応しているから、これもまた「LDAC」に対応しているウォークマンやXperiaと接続すれば、ハイレゾ音源をそっくりそのままとはいかないまでも、ワイヤレスでも高音質で楽しめる。

高音質かつ手軽で自由度が高いという意味ではUSB-Aで接続するより良さげ。

それでも、机の上で聴くのであれば、結局は直接接続したほうが手っ取り早かったりするので使い方にもよるかも。

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ハイレゾ音源を聴きたたいと思ったら、背面にあるUSB-B端子に接続する。

ウォークマンと接続したい場合は、USBケーブル(USB-A ⇔ USB-B)と変換ケーブル「WMC-NWH10」を介してつなげばOK

ただし、この接続方法で聞くと、ウォークマンから直接コントロールできるというのは良いのだけど、音楽を聴いているあいだはウォークマンへは給電されないのでバッテリーが減り続けるって事になる。

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なんだか悩ましいなーと思ったら、ハイレゾ・オーディオ対応ウォークマン専用クレードル 「BCR-NWH10」の登場。

「BCR-NWH10」は、ウォークマンを上に載せて高速デジタル信号を伝送できるクレードルで、中身の電源部には「OS-CON」を3個、さらに同軸ケーブルで2枚の基板の間をつないで、USBからのデジタル信号を忠実に転送できるように作られているもの。

このクレードルを用意すれば、電源を確保したままで、「CAS-1」にデジタル出力、そのままハイレゾ音源を堪能できる。

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そして、母艦とも言うべきWindows PCにUSBで接続。

USB DAC アンプ「UDA-1」でWindows PCと接続させて音楽を聴くというスタイルはやった事があるけれど、オーディオシステムとしては小さい部類に入るとはいえ、ヨコ置き(横幅22.5cm)スタイルの「UDA-1」スピーカーシステム「SS-HA3」の組み合わせですらデスクトップでは相当な場所をとってしまう。

一方でワイヤレススピーカー「SRS-X99」「SRS-X88」はコンパクトでいいのだけど、ユニットが一体型の本来のメリットもありつつ、例えばPCと一緒に設置しようとするとワンボックスなだけに何ともポジションがとりずらい。

このジレンマがサクっと解決してくれるのが「CAS-1」。というかもうVAIOにこれほどまでにピッタリ合わせられるスピーカーはないでしょうと。

音楽ソフト「Media Go」でのASIO接続での音楽再生ができるので、純粋にイイ音を「CAS-1」のスピーカーから聴けるのがミソ。

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●完全なる自分専用のコンパクトオーディオシステム「CAS-1」

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このコンパクトオーディオシステムの最大の特徴は、”ソファに座ってゆったり聴く”というオーディオの王道ではなくて、机の上にスピーカーを並べて目の前に座っている状態で聴くことを前提にしているということ。

まぁおかげで見た目はシンプルだけども、その質感はなかなかのものだし、本当に省スペースに割り込ませて置けるという事がまずひとつ。

そして、ごく当たり前の事なんだけれども、両サイドのスピーカーがグッと離れた場所から自分の耳に届く広がり感がめちゃくちゃ気持ちいいということと、それが手狭なデスクトップ上で実現できてしまっているということ。

これがまたわかりやすいというか、椅子に座ったところで最良のポジションを作った状態で席を立つと、そのベストな音から外れてしまってアレさっきのは何だったんだ?というくらいにイマイチな音に聴こえる。ものすごいピンポイントな空間でできていて、コレはもう完全にパーソナルなステレオシステムなんだなと。

自分のいつもの居場所に最適にセットするという前提さえ整っていれば、セパレートスピーカーの広がりに加えて、演奏されているその場所の空気感からボーカルや楽器の聴こえる位置がイメージできで音の存在感を感じられる。

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それから、「CAS-1」のもう一つの特徴となっているのが「Low Volume Mode」。

そもそも音量が小さくなると肝心な高域と低域が聞こえにくなってしまう事を踏まえて、ボリュームを絞った時でもボリュームごとに音のバランスを補正しているらしく、いつもだったらボリュームを小さくしたら当然しょぼい音になるよねと思うのに、小さい音でも曇らないというか、全体の音場が失われてない。

確かに、夜遅くにスピーカーから音を出すにはかなり遠慮してしまうというか、出したくても出せないことが多いから、これは物凄く現実的な機能だなと。

もうどうしても音が出せないと思ったら、ヘッドホンに切り替えてもちゃんとヘッドホンアンプを通したイイ音で聴ける道筋ができてるのもかなりイイ。

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ただひとつ、この「Low Volume Mode」は、付属するスピーカーで最適なチューニングをしているという事だったので、別のスピーカーに変えたりすると、その適正は損なわれてしまうらしい。

アンプ部とスピーカー部を別々で販売してくれたらもっと買いやすくなるだろうにとは思っていたけれど、そういった意味でも、アンプ部とスピーカー部をセットにしているんだろうなと。

実際に設置するスペースは本当にコンパクトで、おもしろいように自分の座るそこだけがベストポジションという限定的なコンパクトオーディオシステムだけれど、そこがイイというか、自分専用感がたまらなくツボ。

 ・非Android OSでより小型化、長時間再生となった高音質設計を施したウォークマンZXシリーズ「NW-ZX100」、10月10日発売。
・本体と同一カラーでコーディネートされたハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリングヘッドホンを付属した「ウォークマンA20シリーズ」、10月10日発売。
・ヘッドホン新シリーズh.ear(ヒア)4機種、トリプル・バランスド・アーマチュア・ドライバーユニット搭載の「XBA-300」などを10月10日に発売。
・「h.ear×WALKMAN」とカラーコーディネートできるソニーストア限定のアクセサリーラインナップ。

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