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デジタル一眼カメラ α7III レビュー(その2)α7/α7IIからのボディの変遷から使い心地をチェック。


・デジタル一眼カメラ α7III レビュー(その1)実機を触りながら、α7RIIIやα9との違いを調べてみる。
の続き。

α9α7R IIIとの差異がわかったところで、α7IIIがいかに先々代のα7や先代のα7IIから進化してきたか、しつこいけど比較してみる。

・発売直前、CP+2018ソニーブースで試してきたデジタル一眼カメラ α7IIIをレビュー。これから先、撮る思い出も記録も、妥協しない失敗しないものにするミラーレスカメラ。
・ベーシックの基準がどう考えてもおかしいα7III。α7IIからの進化点、α9、α7RIIIとの共通点や細かい相違点を比較。(追記)

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●お約束で、α7α7II / α7IIIの歴代ボディを比較して進化の過程を知る。




「なんだ家電屋のカメラか…。」と嘲笑われていたのはもうすでに過去のこと。

最初はコンパクトだけがウリとも思われたソニーのEマウントが、35mmフルサイズのセンサーを搭載したα7の登場から変革を起こしはじめ、その後は改良に改良を重ねて進化をし続けるαシリーズ。

α7IIIボディ(2018年3月25日発売)
外形寸法 : 約126.9(幅) x 95.6(高さ) x 62.7(奥行き)mm
質量 : 約565g(ボディのみ)、約650g(バッテリーとメモリー含む)

α7IIボディ(2014年12月5日)
外形寸法 : 約126.9(幅) x 95.7(高さ) x 59.7(奥行き)mm
質量 : 約556g(ボディのみ)、約599g(バッテリーとメモリー含む)

α7ボディ(2013年11月15日発売)
外形寸法: 約126.9(幅) x 94.4(高さ) x 48.2(奥行き)mm
質量 : 約416g(ボディのみ)、約474g(バッテリーとメモリー含む)

 
2013年11月に、世界初の35mmフルサイズのイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラとして登場したα7は、よくもまぁEマウントの径にフルサイズセンサーを突っ込んだなというのが正直な感想だった。

この時はまだ当初のEマウント=コンパクトというコンセプトを踏襲していたし、今思い返せばボディに手ぶれ補正も入ってないのが当たり前だった。

ところがどっこい、α7IIが出てきたかと思ったら、突如手ぶれ補正は搭載するわ、持ちにくいと言われたグリップが改良されるわ。

今でも十分なほどに活躍してくれることは3年半弱もモデルチェンジをしなかった事にも現れている。

そして、満を持して登場したのがα7III

α9α7R IIIの評判の高さを傍目にみつつぐっとこらえていた人たちの心わしづかみ。

α7IIIのボディサイズとしては、大容量バッテリーに舵を切ってグリップ部もより持ちやすくなったくらいでα7IIとほぼ変わらず。



重量に関しても、バッテリー、メモリー込みでα7からα7IIへは125g増加。

α7IIからα7IIIへは、バッテリーが巨大化しながらも51gの増加でとどまっている。

また、ボディの材質的なものも、α7は光沢のあるボディでコンパクトさやシャッターボタン形状やグリップの薄さからスナップカメラ的要素が今見ると強かったようにも見える。

α7IIα7IIIでより大型のレンズを見据えたカメラとして変化しているとも言える。

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●大型レンズを装着しても安定して撮影できるようになったホールド性と剛性感。


α7IIIをパッと見た感じでは、もしかするとα7IIとあまり変わっていないように見えるけれど、ボディを握ってカメラを構える、ボタン操作をするという一連の動作をすると、明らかにベツモノに進化している事を実感する。

物理的にもα7IIからα7IIIへは、約3.0mm程グリップ部分が深くなって、見えない筐体部分のグリップとフロントカバーと一体化したこともあって剛性感が増していて、さらに持ちやすくなっている。

α7III                    α7II

    
α7IIIα7IIのグリップ部を比較。

単純に、奥行きの幅が深いというだけではなくて、グリップの隆起したデザインも変わっていて、手のハラの部分もピタっとフィット。

ボタンの傾斜も角度がゆるくなったこともあわせて、ヘビー級なレンズを着けた場合でも持ち疲れしにくくなっている。

α7IIから備わった光学式5軸手ブレ補正機能についても補正効果は4.5段分だったのに、α7IIIでは補正効果は5段分まで対応。

ブレにシビアな高画素機だけに、望遠撮影や暗がりでの撮影時にも、手ぶれ補正の威力はかなり大きい。


ただし、このボディサイズを守っている限りはタテ方向のサイズ感は変わらないため、大きい手の人はお約束で小指までグリップできないこともしばしある。

がんばれば引っ掛けられないこともないけれど、余裕はない。

この対策方法にはいろいろあって、ボディケースやL型プレートを装着するか、もしくはグリップエクステンション「GP-X1EM」縦位置グリップ「VG-C3EM」を利用するのが得策。


中でも超オススメは、グリップエクステンション「GP-X1EM」

グリップエクステンション自身がわりと高価なので、だとすると縦位置グリップを買ってしまうのもアリじゃないかとも思えるけれど、一度使うと手放せなくなるくらいにフィット感が最高。

三脚穴にネジで固定するだけのシンプル装着で人差し指から小指まで四本の指が完全に掴みきれる安定感は抜群で大口径の巨大レンズも望遠レンズも不安も減るし、縦位置で撮る時も構えやすい。

唯一の弱点は、バッテリー交換するときに外さないといけないことと、そのまま三脚に取り付けできないということもあるけれど、邪魔にならない&着脱が簡単というメリットのほうが大きい。

・α9、α7ⅡシリーズのグリップがAマウント並に安定するグリップエクステンション「GP-X1EM」。一度使うとあの感触が忘れられなくなる。


α7IIIのボディは、トップカバー、フロントカバー、内部フレームに軽量で剛性の高いマグネシウム合金を採用。背面は樹脂素材。

α7では、マウント接合部がフニャフニャで押したらたわむだのスキマが見えるだのと散々突っ込まれたマウント接合部。

α7IIから剛性を上げつつもまだ不安要素を残していたものの、α7IIIは精密かつ精度の高いフラット面とてマウント固定用のネジ本数を4点から6点に増やしてさらなる剛性感のアップ。

その精度の高さゆえに、レンズを取り付ける際にもたわみのないガッチリとして装着感から、大型レンズでも取り回せる安心感。

逆に注意すべきはサードパーティ製のマウントをはめ込む時で、万が一にも精度の低いレンズを使ってリング部に歪みがあったりすると、取り付けにくいとか取り付けたものの外せなくなるという場合もあるかもしれないので注意しよう。


実は底面部分も地味に改良されている。

α7はもう圧倒的に底面の接地面積は少ないわボディツルツルだわで、三脚を固定しても非常に不安定。

α7IIでは、接地面積が大きくなったことと、接地部分を一枚のプレートにしたことで、三脚への安定性は随分良くなっている。

基本α7IIIも変わらずで、変わったところと言えば、その1枚のプレートを、α7IIは前に4コと後ろに3コの合計7つのネジで固定されていたものから、α7IIIは前に4コと後ろに4コの合計8つのネジで固定して強度をアップしている。

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α7IIから圧倒的につかいやすくなった操作性。

α7III                    α7II

シャッターボタンは、α7IIは、真っ平らなボタン形状から、ら、α7IIIでは丸みを帯びたタイプに変更。

α7IIIのシャッターストロークは深く、シャッター音も大きくて、良く言えば”撮ってるぞ感”が味わえる。

シャッターボタンの周囲に重なる電源スイッチはα7IIではカチッとしたクリック感があるものだけれど、α7IIIではスッスッと抵抗がすくなく入り切りできるものに変更。

α7III                    α7II

操作性の違いを感じるひとつに、前後にあるダイヤルの形状の変化。

特に後方のダイヤルは、α7IIはナナメに傾斜した位置にあってダイヤルの歯車の飛び出し量も少ないがために送るときにミスしてしまうことがあった。

α7IIIではダイヤルの歯車の凹凸も大きくなってより確実に回せるので、割り当てた機能を確実に可変できる。

ささいな事のように見えて、実際に使っているとまるで違う。


そして大きく変わった背面の筐体デザインとボタン配置。

α7IIにあった「AF/MF/AEL切換レバー」がなくなり、その位置へマルチセレクターを新たに搭載。

新規に、「AF ON」 ボタンと、「AEL」ボタンが増加して、実質的にダイレクトに操作できるボタンが増えている。

「AF ON」 ボタンは、例えばシャッター半押しでピントをあわせる必要のない親指によるAF操作がしたい場合に有効。もしくはカスタムボタンで好みの機能を割り当てて一番押しやすいボタン。

少し隆起したところにあるマルチセレクターは、誤動作しないように突起は少なくかつ指をのせて動かしやすい形状。

フォーカスエリア選択の移動からメニュー操作まで、思った通りに運びやすくてレスポンスも上々。

今まで、録画ボタンの位置があまりにもよろしくなくて、不意にあたって録画が始まるという失敗も、「録画ボタン」がファインダ右下に移動したことで誤操作から解放された。

α7III                    α7II

従来どおり残っているジョグダイヤルについては改良。

α7IIのジョグダイヤルは押しにくい平坦なデザインのわりに、軽くあたっただけで動いてしまうといったトラブルが多かった。

α7IIIは、背面からせり出しているジョグダイヤルは、歯車の刻みが大きくなり、中央のボタンも押しやすくなり、使い勝手が根本から良くなっている。


カスタムボタン[C3]とメニューボタンは左位置に配置。

鍵マークがあるとおり、撮った写真をチェックしつつ、C3をポチっと押してまかり間違っても消したくない写真にすぐさまロックをかけることができる。

ファインダーとモニターについては、前記事で触れたのでここでは省こう。

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●今までの不満点を改良してきた機能と実用性。

α7III                    α7II

α7IIIのメモリーカードスロットは、デュアルスロットになりカバーには不用意に開かないためのロックレバー式に。

α7IIでは、ちょうどグリップしている手の腹の部分にカバーが当たり、力の入れ方によってはこのカバーがズレて開きそうになる感覚が非常に居心地が悪かった。

それがロックレバー式の開閉機構になったことでガッシリと握っていても開く心配もなく集中力を削がれない。


2つあるうちの下の段の「スロット1」のみSDカード専用でUHS-IIに対応。

「スロット2」はSDカードとSD/メモリースティックDuoに対応するもののSDカードはUHS-Iまで。

デュアルスロットのメリットは、2つのメモリーカードへ同時記録したり、RAW/JPEG、静止画/動画の振り分けして記録できたり、メディア同士でコピーもできること。

片方の記録メディアがいっぱいになったらもう一方のメディアへと自動切り替えができるのも便利。

α7III                    α7II
 
インターフェースもα7IIからα7IIIへと変わり充実。

左側面の端子にα7IIから共通して備わっているものは、マイク端子、ヘッドホン端子、マルチ/マイクロUSB端子、HDMIマイクロ端子の4つ。

そして新しくα7IIIに加わったのが、USB Type-C端子

USB Type-C端子は、SuperSpeed USB(USB 3.1 Gen 1)対応で、大容量のファイルも高速(5GBit/秒)で転送できると、高画素でバシバシ撮りまくった画像をPCに転送するときの苦痛が軽減されるのは大きい。

また、PCリモート撮影の際に、α7IIでは対応していなかった、PCのみに限らずカメラ側にも保存できたり、RAW+JPEGのPCへの保存にJPEGのみ転送にも対応したし、スマホからBluetooth経由で位置情報を取得もできる。


α7IIIのバッテリーは、α9α7R IIIと同じインフォリチウム機能対応高容量リチャージャブルバッテリーパック「NP-FZ100」

バッテリーサイズは大きくなったもののWシリーズバッテリー「NP-FW50」の電池容量が1020mAhからくらべると、2280mAhという容量は実質に約2.2倍で、バッテリーの持ちが圧倒的に長くなっていて、使っていてのこの恩恵はものすごく大きい。

大容量になって巨大化したバッテリー(NP-FZ100)がおさまるグリップ部分をみると、かなりギリギリのところまで内側部分のスペースを確保しているのがわかる。


また、Wシリーズバッテリー「NP-FW50」は左右対称的なデザインだったが故に、急いでいたり暗闇でバッテリー交換をするときに逆方向にツッコミかけて間違えそうになることがあった。

それに比べてリチャージャブルバッテリーパック「NP-FZ100」は、上部が山なりで底面が平坦というハンディカムのバッテリーと同等のデザインになったのでそういった間違いも起こしにくい。


容量が増えた分、充電時間もかかり、本体にUSBを接続しての充電はかなり待たされるので、複数運用する場合などは別売のリチャージャブルバッテリーチャージャー「BC-QZ1」で充電するのが得策。

出張や旅行にいくときはUSB type-CケーブルやmicroUSBケーブルで他のガジェットと兼用にして荷物を減らすという事もできるし、ガチ撮影ならバッテリーチャージャー「BC-QZ1」を忘れないように持っていこう。

<メーカー参考値(CIPA 規格準拠)>
静止画撮影可能枚数  α7III  α7II
ファインダー使用時:約610枚  約270枚
液晶モニター使用時:約710枚 約350枚

実動画撮影時    α7III  α7II
ファインダー使用時:約115分 約60分
液晶モニター使用時:約125分 約65分

連続動画撮影時   α7III  α7II
ファインダー使用時:約200分 約100分
液晶モニター使用時:約210分 約100分


アイピースカップα9α7Rから新らしいものに変わっている。

目の周辺部から入り込む光を防いでくれるアタリの柔らかい感触の素材感と、付け外しにスライド式のロック機構がついて不意に外れない仕様に。

α7IIを使っていてもう今まで何回も取れてしまって紛失したこともあっただけに良い改良。

ちなみに別売のアイピースカップ「FDA-EP18」は、α7Ⅱシリーズにも流用できる。

・なぜかいつのまにかなくなってしまうアイピースカップ。よし、ロック機構のついたアイピースカップ「FDA-EP18」をα9やα7II/α7シリーズに装着しようそうしよう。

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大型レンズを見据えてのホールド感やより操作しやすくなったボタン類の改善と、手ブレ補正が0.5段分増えたり、microUSBとUSB type-Cどちらも使えたり、なんといってもバッテリーが超長持ちの「NP-FZ100」になったりと、α7IIにすらあった細かなストレスがずいぶんと解消されている。

どうしても比較しておかないと気がすまなかったのでチマチマと比べてしまったけれど、肝心なのは、この操作性をもってさらに、どれだけの写真が撮れるようになったか。

次は、α7IIIで実際に撮影して、画質やAFの速度、感度耐性といったところが従来モデルと変わったのかなどを検証していってみよう。

続く。

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●α7IIIラインナップ


『α7 III』 ボディ ILCE-7M3(E マウント)製品ページ
ソニーストア販売価格:229,880円+税
●長期保証<3年ワイド>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF


『α7 III』 スームレンズキット ILCE-7M3K(E マウント)製品ページ
ソニーストア販売価格:249,880円+税
●長期保証<3年ワイド>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF


●αあんしんプログラム
αオーナー向けの「あんしん・快適な」サービス
「レンズ長期保証優待」、「αメンテナンス最大50%OFF」、「下取りサービス増額

・α7 IIIとα7RIII 限定、カメラ本体購入時に有料長期保証つきで購入すると、「αあんしんプログラム」1年間利用料が無料に!今なら入会金も無料。
・α7IIIに使えるソニー純正周辺機器はどれ?本体と一緒に手に入れておきたいアクセサリーをチェックしよう。

・「α7RIIIがいかに凄いかを語る、CP+2018 ソニーブースレポート 他」”ソニーが基本的に好き。Live”(2018年3月3日配信)

・「α7IIIをα7RIII/α9と比較しながらレビュー」”ソニーが基本的に好き。Live”(2018年3月24日配信)

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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)


ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
 ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。

ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。 
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結 
営業時間:11:00~19:00

ソニーストア 札幌 
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ 
営業時間:11:00~19:00

ソニーストア 名古屋 
名古屋市営地下鉄栄駅サカエチカ8番出口。丸栄百貨店南隣 
営業時間:11:00~19:00

ソニーストア 大阪 
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階 
営業時間:11:00~20:00

ソニーストア 福岡天神 
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。西鉄天神CLASS 
営業時間:12:00~20:00


・カメラやレンズのソニーストア 下取サービス、「新生活 買い替え応援キャンペーン」と「αあんしんプログラム」会員限定のダブルで下取り増額キャンペーンを2018年4月16日(月)10時まで開催。


・月々の負担を限りなく抑えたいという人向けの、ソニーストアの「残価設定クレジット」。2年後に手元に残すか売却するかも選べるよ。

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